chinda_fall_desu’s diary

竹内豊の日記

ヒューマンコンピューターインターフェースをもっと知りたいなー

【HCI論文】Wall-based Space Manipulation Technique (2018) - 壁を移動させ、物体を近くに -

今回の論文

"Wall-based Space Manipulation Technique for Efficient Placement of Distant Objects in Augmented Reality"(UIST 2018)

www.youtube.com

どんなもの?

AR空間を圧縮することで仮想物体の選択・移動を効率的に行う技法、WSM (wall-based space manipulation) を提案

先行研究との違い

・Worlds In Miniature は、正確な操作が困難
・go-go technique は、遠くのオブジェクトの奥行きを認識することが困難
・Ray casting は、効率的な選択が可能だが、操作は効率的でない

WSMは
・効率的に遠くのオブジェクトの選択および移動することが可能
・遠くのオブジェクトの奥行きを考慮した移動ができる

実装

ハードウェア
・WSMはHOMER手法(ポインタ)と共に利用した
HMDとしてHoloLensを利用
・MRツールとして Mixed Reality Toolkit (MRTK) を利用

操作方法
・壁に仮想の平面を重ね、それのドラッグ移動によって空間を縮小する
・その移動に応じて、全ての仮想物体は移動および縮小される

検証方法

タスクを用いたユーザ調査によって以下を検証した
・WSMがHOMER手法を改善しているか
・WSMが腕の動きを減らし、疲れを軽減させているか

議論

・WSMは移動のみサポート(回転や拡大縮小はできない)
・複数なメッシュは扱えない
・複数の壁を利用した操作に関する評価は行っていない

先行研究

Virtual reality on a WIM (1995)
・ミニチュアを使って遠くのオブジェクトを操作
・小さいオブジェクトを正確に動かすことは困難
chindafalldesu.hatenablog.com

The go-go interaction technique (1996)
・腕を仮想的に伸縮させて遠くのオブジェクトを操作
・遠くのオブジェクトの認識が困難
chindafalldesu.hatenablog.com

Extending the Body for Interaction with Reality (2017)
・ARで go-go interaction を利用
chindafalldesu.hatenablog.com