chinda_fall_desu’s diary

竹内豊の日記

ヒューマンコンピューターインターフェースをもっと知りたいなー

【HCI論文】DistanciAR (2021) - 部屋のARデザインを遠隔で -

今回の論文

"DistanciAR: Authoring Site-Specific Augmented Reality Experiences for Remote Environments"(CHI 2021)

www.youtube.com

どんなもの?

遠隔で部屋のARデザインを作成するシステムを作成

以下の3つのステップで行う
1. スキャナーで自分の部屋をキャプチャし、ARデザイナーへ送る
2. 遠隔でARデザインを行う
3. 自分の部屋でAR体験をする

先行研究との違い

Adobe Aero や CAPturAR は部屋に基づくAR体験を作成できるが、遠隔での作成は行えない
DART や Unity は遠隔でARデザインを作成できるが、部屋に基づくAR体験は提供できない

実装

システム
iPadのLiDARで部屋のスキャンを行う
・カメラポーズとRGBデータでテクスチャマッピングを行う

機能
以下の3つのモードを利用できる
1. PORTAL Mode ... 遠隔の部屋をiPadを介して表示し、仮想物体の操作を行う
2. DOLLHOUSE Mode ... 部屋のミニチュアを表示し、部屋の俯瞰および視点の移動を可能にする
3. PEEK Mode ... 3D再構成の代わりにビデオフレームを表示し、顧客の見え方に近づける

評価

実験1
PORTAL Mode を評価し、課題を特定する
結果
・デザイナーが自由に移動できた方が良い
・その部屋にいる感覚でARデザインができた方がいい

実験2
DOLLHOUSE Mode および PEEK Mode の追加で実験1で得られた課題を解決できたか
結果
・参加者は今回のバージョンを明確に好んだ
・モードの変更でデザインにかかる時間が増える恐れがある

今後の展望

・共同でのARデザインが可能か
・インテリアデザイン以外のARアプリケーションが作成可能か

関連研究

Remixed Reality (2018)
・部屋のキャプチャを行う
・部屋の物体を仮想物体のように扱える
chindafalldesu.hatenablog.com

Holoportation (2016)
・部屋のキャプチャを行う
・遠隔コミュニケーションに利用
chindafalldesu.hatenablog.com

Virtual Reality on a WIM (1995)
・ミニチュア(Dollhouse)を利用
VRでのインテリアデザインに利用
chindafalldesu.hatenablog.com