chinda_fall_desu’s diary

竹内豊の日記

ヒューマンコンピューターインターフェースをもっと知りたいなー

【HCI論文】Poros (2021) - VRでの遠隔物体操作 + ポータル+ミニチュア -

今回の論文

"Poros: Configurable Proxies for Distant Interactions in VR"(UIST 2017)

www.youtube.com

背景

VRでは離れた物体を操作する方法が必要である
・その解決方法の一つとして、テレポーテーションがある
・だが、テレポーテーションは移動によって方向感覚を失うという問題がある

大きな課題
移動せずに離れた物体を操作する方法はないだろうか

先行研究

大きく3つの解決方法がある
1. ユーザの操作範囲を広げる方法(Go-go interaction, レイキャスト)
2. ポータルを利用する方法
3. ミニチュアを利用する方法(Worlds in miniature)

小さな課題
それぞれ下記の問題がある
1. インタラクションの精度を下げる
2. VR空間を歪め、ポータルとシーンの境界が曖昧になる
3. 好きなようにミニチュアを作成・配置できない

本研究

・ポータルとミニチュアを組み合わせ、上記の課題を解決する

手順:
1. 操作したい離れた物体をマークする
2. 手元のマーカとリンクしているプロキシで物体を操作する

(プロキシを変形(拡大縮小・移動など)させれば、変形した物体を操作できる)

評価実験

Porosを他の手法と比較する実証実験は行わず、専門家の意見を収集することで評価した

結果
以下のことが確かめられた
・コンセプトは把握しやすい
・既存の移動手法とは明確に異なる
・広い範囲のアプリケーションに利用できそう

今後の課題

・自分のアバターをミニチュアにして移動させる機能の追加
・球体マーカ以外を使った空間やオブジェクトの指定

関連研究

The go-go interaction (1996)
・ユーザの操作範囲を広げる方法の一つ
・腕を伸縮させて離れた物体を操作する
chindafalldesu.hatenablog.com


Virtual reality on a WIM (1995)
・ミニチュアを利用して離れた物体を操作する
chindafalldesu.hatenablog.com