chinda_fall_desu’s diary

竹内豊の日記

ヒューマンコンピューターインターフェースをもっと知りたいなー

これまでの形状変化装置たち『Shape-changing interfaces: A review of the design space and open research questions(2012)』(No.52)

読んだ論文を自分なりに整理してみます。

今回の論文

"Shape-changing interfaces: A review of the design space and open research questions"(2012)

この当時(2012年)までに作られた形状変化インターフェースを様々な軸で分類し、この分野での課題を分析する。


変形の種類

1.曲げる
『Living interfaces: The Thrifty Faucet. (2009)』(動画見つからず)
蛇口を様々な方向に曲げることで水の消費量などの情報をユーザに提示する。


2.使う立体図形を変える
Horev氏が製作した Morphing Harddisk (2006)
vimeo.com
球体から立方体、もしくはその反対に変形することで情報を提示する。
(もちろん同様の情報はGUI上で簡単に表示させられるが、GUIに情報が収まりきらなくなったときにこれは重要な選択肢になるような気がする。)


3.体積を変える
『Inflatable mouse: volume-adjustable mouse with air-pressure-sensitive input and haptic feedback.(2008)』
www.youtube.com
マウスに風船のようなボールを仕込むことで、その体積の変化を入出力に使える。手のひらでつぶすか、指での押し込むことで入力を行う。


4.表面を変える
『Relief: A Scalable Actuated Shape Display. (2010) 』
vimeo.com
chindafalldesu.hatenablog.com


5.粘度を変える
『Mudpad: Fluid Haptics for Multitouch Surfaces. (2010)』(動画見つからず)
MR流体という磁場によって粘度が変化する流体を使っている。
(しかもこの流体は反応時間が2ms以下と反応が速いらしい。)


6.空間での位置を変える
www.youtube.com
(構成する要素が繋がっていなくてもこの例のように一つの集合体の形状変化として錯覚することがあるようだ)


7.トポロジー的に同等でない変形(分割したり結合したりできるということかな)
www.youtube.com
pBlob(programmable blob)と呼ばれる独自の磁性流体を電磁石で制御している。

自然(Organic)↔人工的(Mechanical)

続いては形状変化装置を自然を感じるものか、人工的なものかに分ける。
(前者は環境に溶け込ませるのに向いていて、後者はユーザにそれを意識させるのに向いているように感じる。)
上記の例ではThe Thrifty Faucet(1)は自然で、Morphing Harddisk(2)やInflatable mouse(3)は人工的かな。


・自然
『Interactions with proactive architectural spaces.(2008)』
www.youtube.com
インタラクティブな林。人がどれくらい近くにいるかを知覚し、それに基づいて動きを決める。(2:15辺りがわかりやすい)


・人工的
『Lumen: interactive visual and shape display for calm computing(2004)』
www.youtube.com

入出力の種類

・出力のみ
入力を受け取らず、元々与えられた情報によって動きを変える。BMW museum sculpture(6)とかかな。(動きが単調になってしまいそうだが、幻想的な動き、非現実的な動きを作る際に用いると良さそう。)


『Kukkia and Vilkas: Kinetic Electronic Garments(2005)』
www.youtube.com



・暗黙の入力
ある空間内の動きや音などの入力に応じて出力を決める。The Thrifty Faucet(1)とかかな。
①『Pinwheels: Visualizing Information Flow in an Architectural Space.(2001)』
空間内の動きや音に応じて風車の回転させる。

②『ambientROOM: Integrating Ambient Media with Architectural Space (1998)』
vimeo.com
ambientROOMはペットの動きを波形で壁に表示させるなど、入力だけでなく出力も明示的でない。


・明示的な入力
明示的な入力も大きく分けて、リモートかそうでないかで分けられる。
Morphing Harddisk(2)やInflatable mouse(3)はリモートでなく、Lumenはリモートも可能である。