形状ディスプレイを使って共同作業(コンピュータの論文を調査No.20)
読んだ論文を自分なりに整理してみます
今回の論文
どんなもの?
物体や体の一部の形状をキャプチャして、遠隔地でレンダリングし、共同作業を行う
先行研究との違い
・PsyBench(1998)やActuated Workbench(2002)などの物体を使った共同作業では共同作業者の存在が伝わりづらい
・これまでの形状ディスプレイの多くは同じ場所にいるユーザによる操作のみ扱っていた
対してこの研究は
・形状ディスプレイを用いることで共同作業者との間の関係を切断させない
・形状ディスプレイを共同作業に利用する
実装
出力
・inFORM(ピンディスプレイ)プラットフォームを使う
・作動速度は0.644m/s
・最大1.08Nの出力が可能
検証方法
制限された自由度の中で行えるインタラクションの有用性を調査
議論
・物体を掴めない(ロボットグリッパーと組み合わせる?)
・ピンディスプレイの解像度の低さが、表現できるコンテンツに影響を及ぼす
・リモートオブジェクトとローカルオブジェクト間の衝突が想定される
・ネットワーク遅延への対応
関連研究
PsyBench(1998)
・電磁石で物体を動かす
・共同作業者の存在が伝わりづらい
vimeo.com
Lumen(2004)
・形状ディスプレイを使って遠隔表示を行う
・共同作業には用いられていない
chindafalldesu.hatenablog.com
多様な家とIoT(⑲)
読んだ論文をまとめます。適宜修正します。
今回は以下の論文を読みます。
"Alternative Avenues for IoT: Designing with Non-Stereotypical Homes"(2019)
①どんなものか
一般的ではない家にIoTを提案し、IoTを再考する。
②先行研究と比べてどこがすごいか
IoTの研究では家を理想化、ステレオタイプ化してきた。
IoTの新たな方向性を探るために家という概念をとらえなおす。
③技術や手法の肝
一般的、理想的な家ではなく、非ステレオタイプの家を調査している。
④どうやって有効だと検証したか
一般的ではない設計の家の住人と協力し、彼らの家に適したIoTデバイスを考え、そのデータを分析した。
⑤議論はあるか
家という概念を狭めるのでなく、IoTの概念を広げるという方向性を提示。
⑥次に読むべき論文
“Internet of things”(2012)
(コメントいただけると嬉しいです。)
カメラよりも正確な物体の追跡方法(コンピュータの論文を調査⑱)
読んだ論文をまとめます。適宜修正します。
今回は以下の論文を読みます。
"Sensetable: A Wireless Object Tracking Platform for Tangible User Interfaces"(2001)
①どんなものか
多数の物理オブジェクトを確実に追跡でき、かつそれをダイヤルとして用いるための手法。
②先行研究と比べてどこがすごいか
・コンピュータビジョンを用いた場合に生じる遮蔽物や照明の問題が生じない。
・低遅延。
・複数オブジェクトを同時に追跡できる。
・オブジェクトにダイヤルを載せられる。
③技術や手法の肝
・市販のタブレットを用いる。
・オブジェクトに付与した回路によってタブレットはオブジェクトを検知する。
・オブジェクトの上に置いたダイヤルでオブジェクトの状態を変えられる。
④どうやって有効だと検証したか
化学反応の教材としてのアプリケーションとシュミレーションを行うアプリケーションの開発。
⑤議論はあるか
電磁感知を用いれば、コンピュータービジョンを用いる場合に生じる問題から解放される。
⑥次に読むべき論文
(コメントいただけると嬉しいです。)
ウィンドウを物体として保存する(コンピュータの論文を調査⑰)
読んだ論文をまとめます。適宜修正します。
今回は以下の論文を読みます。
"DataTiles: A Modular Platform for Mixed Physical and Graphical Interactions"(2001)
①どんなものか
取り外し可能なウィンドウ。
GUIと物理オブジェクトの両方の長所を兼ね備えたシステム。
②先行研究と比べてどこがすごいか
これまでの物理オブジェクトによる入力では多くのアプリケーションをサポートできなかった。
このタイルはGUIの拡張に必要なスケーラビリティを持った物理オブジェクトである。
③技術や手法の肝
タイルにRFIDタグを埋め込み、それらを識別できるようにする。
④どうやって有効だと検証したか
DataTilesシステムのデモをユーザに体験させた。
⑤議論はあるか
物理オブジェクトにはスケーラビリティがなく、乱雑で、損失が生じる。これをどこまで許容するか。
⑥次に読むべき論文
(コメントいただけると嬉しいです。)
画面に置くだけで物体を認識(コンピュータの論文を調査⑯)
読んだ論文をまとめます。適宜修正します。
今回は以下の論文を読みます。
"TUIC: Enabling tangible interaction on capacitive multi-touch display"(2011)
①どんなものか
オブジェクト特有のマルチタッチを行うことでオブジェクトを認識させる。
②先行研究と比べてどこがすごいか
センサやカメラなどの追加の装置を用いることなく、オブジェクトの認識を行える。
③技術や手法の肝
周波数を変えることで画面へのタッチパターンを複数個つくり、オブジェクトを識別するタグをつくる。
④どうやって有効だと検証したか
TUICタグの実装
⑤議論はあるか
空間タグ(位置で認識)と周波数タグ(周波数で認識)の使い分けが重要。
⑥次に読むべき論文
“SLAP”(2009)
(コメントいただけると嬉しいです。)
【HCI論文】Augmented surfaces (1999) - パソコンのデータを壁にドラッグ移動!? -
選んだ論文
"Augmented Surfaces: A Spatially Continuous Work Space for Hybrid Computing Environments"(1999)
(参考:mediaBlocks: physical containers, transports, and controls for online media)
vimeo.com
どんなものか
物理的なオブジェクトの間でデジタル情報をスムーズに交換できるようにするコンピューター拡張環境の設計と実装。
先行研究と比べてどこがすごいか
・mediaBlocksで用いるブロックなどとは違い、他の用途を持つオブジェクトにデジタル情報を与える。(例えば、ビデオテープにデジタル音声情報を与える)
・オブジェクトは空間的に継続していて、ドラッグアンドドロップで情報を操作できる。
技術や手法の肝
・カメラとマーカーを使って物体を認識する。
・プロジェクターによって視覚的にデータのやり取りを行う。
どうやって有効だと検証したか
グループ活動を含むいくつかの共同利用を行った。
議論はあるか
異なるアプリケーションの場合はデータの通信が行えない場合がある。
次に読むべき論文
“mediaBlocks”(1998)
【HCI論文】SLAP Widgets (2009) - 仮想コントローラに触覚を -
今回の論文
"SLAP widgets: Bridging the gap between virtual and physical controls on tabletops"(2009)
どんなもの?
仮想的なコントロールに簡易的な物体を用い、フィードバックを得る。
先行研究との違い
・仮想的なコントロールのように安価で柔軟に扱え、物理的なコントロールのように精度が高く、直感的に扱える。
・マルチタップインターフェスへ移行によって欠けた物理フィードバックを補填しようとしている。
実装
テーブルの下に赤外線カメラを配置。物体が赤外線が反射することでその物体を特定できる。
検証方法
ユーザ調査を行い、仕様説明の時間、タスク完了時間の変化を調べた。
議論
触覚フィードバックを使えば、視覚を使わずに済むという利点がある。
気になる論文
“DataTiles”(2001)
関連
metaDeskとシステムの構成が似ているなぁ
metaDeskはオブジェクトの追跡に赤外線を用いてるけど、SLAP Widgetsは押し込みの取得に用いているみたい
vimeo.com