VRに触覚を与える(コンピュータの論文を調査㊴)
読んだ論文をまとめます。適宜修正します。
今回は以下の論文を読みます。
"Mediate: A Spatial Tangible Interface for Mixed Reality"(2018)
①どんなものか
ピンを使った形状ディスプレイとユーザを追跡するシステムを用いた、モビリティの高い、VR用の触覚デバイス。
②先行研究と比べてどこがすごいか
・装着型と違い、ユーザが力を加えられる。
・設置型と違い、広い空間でインタラクション可能。
③技術や手法の肝
・SteamVRの追跡システムでディスプレイの仮想空間と実空間の位置を一致させる。
・Leapモーションコントローラーで手の追跡を行う。
④どうやって有効だと検証したか
約100人に実際に使ってもらうことで実証。
⑤議論はあるか
水平方向の表示は得意だが、垂直方向への表示が不得意。
⑥次に読むべき論文
"NormalTouch and TextureTouch"(2016)
"UltraHaptics"(2013)
(補足)
この論文で紹介された触覚インターフェスたち
・装着型
"NormalTouch and TextureTouch: High-fidelity 3D Haptic Shape Rendering on Handheld Virtual Reality Controllers"(2016)
www.youtube.com
・設置型
"UltraHaptics: Multi-point mid-air haptic feedback for touch surfaces"(2013)
www.youtube.com
"inFORM: dynamic physical affordances and constraints through shape and object actuation."(2013)
www.youtube.com
・移動型
"shapeShift: A Mobile Tabletop Shape Display for Tangible and Haptic Interaction"(2017)
www.youtube.com
(コメントいただけると嬉しいです)
スケーラビリティの高い形状ディスプレイ(コンピューターインターフェースの論文を読む No.38)
読んだ論文をまとめます
今回の論文
"Relief: A Scalable Actuated Shape Display"(2010)
概要
スケーラビリティの高い形状ディスプレイの作成
先行研究からの進歩
- 岩田らによるFEELEX, PoupyrevらによるLumen, NorthropGrummanによるTerrainTableは複雑な独自のハードウェアを使っているためスケーラビリティが低い
- HaihongによるDigitalClayはこの問題に取り組んでいるが、十分ではない
- Reliefはスケーラビリティの高い形状ディスプレイの作成に焦点を当てる
技術や手法の肝
- モータとポテンショメータを使ってピンの高さを制御している
- 部品はすべて市販のものを使い、コストと複雑さを最小限に抑えた
- ピンの構成を簡単に変更できるように構成
検証方法
- Ars Electronica 2009で数日間展示された
- 正式なユーザ調査は実施していない
関連研究
- 岩田らによるFEELEX(2001)
- PoupyrevらによるLumen
- NorthropGrummanによるTerrainTable
ピンディスプレイで物体を操作(コンピュータの論文を調査㊲)
読んだ論文をまとめます。適宜修正します。
今回は以下の論文を読みます。
"Kinetic Blocks: Actuated Constructive Assembly for Interaction and Display"(2015)
①どんなものか
ピンベースの形状ディスプレイ上での組み立て、分解、再組み立てなどの3次元のオブジェクト操作の手法の提案。
②先行研究と比べてどこがすごいか
ユーザの操作ではなく、コンピュータによるオブジェクト操作に焦点を当てた。
③技術や手法の肝
・分解が容易な木製ブロックを使った場合と、複雑で永続的な形を作れる磁気ブロックを使った場合の手法をそれぞれ考案。
・キネマティックブロックを使って縦方向の力を他の方向の力に変換し、回転などを可能に。
④どうやって有効だと検証したか
機能を実証するアプリケーションの開発。
テストを複数回行い、エラー回数の記録で技術の信頼性を評価した。
⑤議論はあるか
開ループ制御なので組み立て技術の精度に依存している。
センサやコンピュータビジョンを使ったフィードバックによる補正が必要。
⑥次に読むべき論文
"Programmable matter"(2005)
形状ディスプレイ+CADモデリング(コンピュータの論文を調査㊱)
読んだ論文をまとめます
今回の論文
"Recompose - Direct and Gestural Interaction with an Actuated Surface"(2011)
どんなものか
形状ディスプレイを使ってCADモデリングを行う
先行研究と比べてどこがすごいか
技術や手法の肝
- 120個のピンで構成される
- 深度カメラを使うことでジェスチャーによる入力を検知
- プロジェクターを使って視覚的フィードバックを与える
- 手で押すことも可能
どうやって有効だと検証したか
なし
議論はあるか
- ジェスチャを使うことで広い領域の操作が可能になり、直接操作を使うことでユーザーが単一の点を正確に変更できる
関連研究
形状ディスプレイ
- 岩田らによるFEELEX(2001)
- PoupyrevらによるLumen(2004)
- LeithingerによるRelief(2010)
砂を使ったディスプレイ(コンピュータの論文を調査㉟)
読んだ論文をまとめます。適宜修正します。
今回は以下の論文を読みます。
"Bringing Clay and Sand into Digital Design --- Continuous Tangible user Interfaces"(2004)
①どんなものか
物理オブジェクトを用いた入力によって設計プロセスの初期フェーズをサポートし、コンピュータ計算による出力で最終フェーズをサポートする。
②先行研究と比べてどこがすごいか
・景観設計に物理オブジェクトとコンピュータを同時に用いる。
・Urpなどの他のTUIと比べて、複雑な形状を扱うことができる。
・他のTUIとは異なり、設計の初期フェーズを手助けする。
③技術や手法の肝
・Illuminating Clayには高精度だが低速なレーザースキャナーを用いた。
・SandScapeでは台の下から赤外線を放射し、砂を通過して出てきた赤外線の強度を測った。これは高速だが、精度が低い。
④どうやって有効だと検証したか
ユーザビリティ調査を行い、普通の粘土を用いた場合とIlluminating Clayを用いた場合の違いを調査した。
⑤議論はあるか
CADで作ると困難で時間のかかる非常に複雑な形状をすばやく作成できる。
⑥次に読むべき論文
“Urp”(1999)
(コメントいただけると嬉しいです)
粘土でできた変形可能なディスプレイ(コンピュータの論文を調査㉞)
読んだ論文を自分なりに整理してみます。
今回の論文
"Illuminating clay: a 3-D tangible interface for landscape analysis"(CHI 2002)
どんなもの?
・粘土を使った入力を行い、それに基づいた情報を映像によって出力する装置
・景観分析に使うことができる
先行研究との違い
入力に物理オブジェクトを使うことで複雑な形状や物理的な関係を直感的な分析を行える
実装
・天井に取り付けられたレーザースキャナーを用いて、物理的な形状をリアルタイムに検出する
・計算によって得られた情報はプロジェクターを使って、このオブジェクトの表面に投影される
検証方法
このシステムの実装
議論
レーザースキャナーを用いて高さを検出するので、物理オブジェクトを認識しているわけではない
なのでオブジェクト間の相互作用を使うことができない
気になる論文
“Urp”(1999)
手を振ると机に波が生じる(コンピュータの論文を調査㉝)
読んだ論文をまとめます。適宜修正します。
今回は以下の論文を読みます。
"TRANSFORM: Embodiment of "Radical Atoms" at Milano Design Week"(2015)
①どんなものか
"Radical Atoms"というビジョンを具現化する、TRANSFORMという新しいメディアの製作。
②先行研究と比べてどこがすごいか
物理的な状態の動的な変化を通じて、デジタル情報の動的な変化を反映できる。
芸術表現の媒体をつくった。
③技術や手法の肝
・アクチュエータと制御ボードはinFORMと同様のものを使う。
・各ピンの高さを読み取り、ユーザ入力を得る。
・自然表現やアニメーション表現を行うために、モーションデザインを行った。
④どうやって有効だと検証したか
LEXUS DESIGN AMAZING 2014 MILANという展示会で披露し、実際に使ってもらった。
⑤議論はあるか
TRANSFORMは、絵筆や映像のように動的な物理的利用を通じてアイデアやストーリーを伝えることができる、新しいメディアの発明といえる。
⑥次に読むべき論文
"Radical Atoms"(2012)
(コメントいただけると嬉しいです)