chinda_fall_desu’s diary

竹内豊の日記

ヒューマンコンピューターインターフェースをもっと知りたいなー

浮かぶ磁石を自由に動かす(コンピュータの論文を調査㊻)

読んだ論文をまとめます。適宜修正します。

今回は以下の論文を読みます。
"ZeroN: Mid-air tangible interaction enabled by computer controlled magnetic levitation"(2011)

www.youtube.com

①どんなものか
永久磁石を3次元空間で浮上させ、移動させる磁気制御システムと浮上している物体に映像を投影するシステムの開発。

②先行研究と比べてどこがすごいか
磁場を使うことで入力と表示の両方を三次元空間で行える。

③技術や手法の肝
・磁気制御で垂直方向の制御を行い、ステッピングモーターで水平方向の制御を行う。
・赤外線画像とコンピュータビジョンで物体を追跡する。

④どうやって有効だと検証したか
複数のアプリケーションを作成し、ユーザからその設計に対する評価を得た。

⑤議論はあるか
3Dディスプレイ技術が発展すれば、浮上したオブジェクトを空中に投影されたホログラフィック映像と直接組み合わせられる。

⑥次に読むべき論文
"Lumino"(2010)
"Pico"(2007)
"Lumen"(2004)

空気圧で凹凸のあるディスプレイを製作(コンピュータの論文を調査㊺)

読んだ論文を自分なりに整理してみます。

今回の論文

"Providing dynamically changeable physical buttons on a visual display"(2009)

www.youtube.com

どんなもの?

空気圧使った物理的なボタンをビジュアルディスプレイに表示。

先行研究との違い

・他の触覚インターフェスより安価で簡単に製造できる

実装

・バッキング層を使って、形状を変える。
・透明なアクリルを使い、映像を背面から投影することで、ディスプレイを遮らずにユーザー入力を行える。
・赤外線ベースのコンピュータビジョンシステムでマルチタッチセンシングを実現。

検証方法

平坦なディスプレイと比べて視覚的な注意を減らせるかをユーザ調査で検証した。

議論

このディスプレイは一般の物理的なボタンと同様の触覚特性を持つ。

気になる論文

"Surflex"(2008)

電磁石で触覚フィードバックをつくる(コンピュータの論文を調査 No.44)

読んだ論文を自分なりに整理してみます

今回の論文

"FingerFlux: Near-surface haptic feedback on tabletops"(UIST 2011)

www.youtube.com

どんなものか

ディスプレイにつけた電磁石と指につけた永久磁石を使って触覚フィードバックを生成

先行研究と比べてどこがすごいか
  • SmartTouch(2003), TeslaTouch(2010), MudPad(2010)などの触覚デバイスは画面タッチ時しか触覚を提示しない
  • HTP(2009)やSLAP(2009)は装置が場所をとる上、小さい画面では使えない


それに対し、FingerFluxは

  • 画面にタッチせずに触覚フィードバックを得られる
  • 大きな装置を必要としないのでモバイルデバイスで使える
技術や手法の肝

電磁石を並べて磁場を作り、各電磁石の強度と分極をソフトウェアから個別に制御

どうやって有効だと検証したか

画面のボタンを見ないで操作したときに、誤った指の移動を減らせるかを調査した

議論はあるか
  • 磁石をユーザーの指先にテーピングすることで特定の触感を減らしうる
  • 一つの指しか使えない

関連研究

触覚フィードバック
  • TeslaTouch(UIST 2010)

www.youtube.com

  • The haptic tabletop puck(ITS 2009)

www.youtube.com

超音波で物体を自由に移動させる(コンピュータの論文を調査㊸)

読んだ論文をまとめます。適宜修正します。


今回は以下の論文を読みます。
"Ultra-Tangibles: Creating Movable Tangible Objects on Interactive Tables"(2012)

www.youtube.com


①どんなものか
超音波を使うことで物理オブジェクトをコンピュータで制御できるようにする。

②先行研究と比べてどこがすごいか
・TUIでは物理オブジェクトを使った入力は容易にできるが、出力は難しい。
・ロボットを用いる場合より柔軟に扱える。

③技術や手法の肝
超音波トランスミッターで、空気圧波を移動させ、フェーズドアレイ方式を使って、焦点を形成する。
制御ループで移動の速度と方向を追跡し、オブジェクトの軌道を修正する。

④どうやって有効だと検証したか
画面をタッチしてオブジェクトを目標位置に移動させるテストを行った。

⑤議論はあるか
・ディスプレイを大きくすると、超音波圧力波が伝わる距離が長くなり、力の損失が大きくなる。
・オブジェクトのサイズと重量の問題。

⑥次に読むべき論文
"Noncontact Tactile Display"(2010)


(参考)
非破壊検査技術情報|フェーズドアレイ|超音波探傷・赤外線の非破壊検査は株式会社KJTD


(コメントいただけると嬉しいです)

モバイルデバイスに触覚を(コンピュータの論文を調査㊷)

読んだ論文をまとめます。適宜修正します。


今回は以下の論文を読みます。
"Adding haptic feedback to mobile TV"(2011)

https://www.researchgate.net/profile/Mark-Marshall-2/publication/221516974/figure/fig1/AS:305496646012934@1449847484692/Prototype-UltraTV-concept_Q320.jpg

①どんなものか
超音波触覚フィードバックを使うことで、小型ディスプレイでの映像視聴を快適にする。

②先行研究と比べてどこがすごいか
・モバイル端末で用いる触覚フィードバックとして超音波を用いる。
・複数点にフィードバックを与える。

③技術や手法の肝
空間多重化と時間多重化という2つの方法でマルチポイントフィードバックを実現。

④どうやって有効だと検証したか
ユーザ調査を行い、触覚フィードバックを感じることができる位置と点の数を調べた。

⑤議論はあるか
・移動する点の知覚について調べる必要がある。
・映像や音声による出力とどう組み合わせられるか。

⑥次に読むべき論文
"Airborne Ultrasound Tactile Display"(2008)

(コメントいただけると嬉しいです)

超音波を使って触覚をつくる(コンピュータの論文を調査㊶)

読んだ論文をまとめます。適宜修正します。


今回は以下の論文を読みます。
"UltraHaptics: Multi-point mid-air haptic feedback for touch surfaces"(2013)

www.youtube.com

①どんなものか
空中触覚フィードバックを行える点を複数個、ディスプレイの上部に生成する。

②先行研究と比べてどこがすごいか
・手をディスプレイの表面に直接触れさせる必要がない。
・複数の焦点を近い距離でも区別でき、独立に扱える。

③技術や手法の肝
単一のコントロールポイントを少し離れて配置し、複数の焦点を生成する。

④どうやって有効だと検証したか
二つの焦点の距離による精度の差と、同じ周波数を使うときと違う周波数を使うときの精度の差を調べるユーザ調査を行った。

⑤議論はあるか
レーニングを行えば、さまざまな触覚特性を識別できるようになる。

⑥次に読むべき論文
"Adding haptic feedback to mobile tv"(2011)


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触感のあるピンベースのディスプレイ(コンピュータの論文を調査㊵)

読んだ論文をまとめます。適宜修正します。


今回は以下の論文を読みます。
"inFORCE: Bi-directional `Force' Shape Display for Haptic Interaction"(2019)

vimeo.com


①どんなものか
ピンベースの形状ディスプレイで力の検出とフィードバック制御を行うことで、新たな触覚デバイスを作成。

②先行研究と比べてどこがすごいか
振動や電気刺激ではなく、物理オブジェクトの形状を使って触覚を生成。

③技術や手法の肝
モータードライバー内の電流検出機能と位置出力によって力を測定する。
フィードバック制御を使ってピンを目標の位置に移動させる。

④どうやって有効だと検証したか
ユーザ調査を行い、剛性、材料、層を知覚できるか調べた。

⑤議論はあるか
表面の手触りや付着力など、他の触覚特性を強化するための課題がある。
視覚を組み合わせる方法の検討。

⑥次に読むべき論文
"Providing Haptics to Walls and Other Heavy Objects"(2017)


(コメントいただけると嬉しいです)